度々話題になる給食費の未納問題
このページでは給食費未納が招く問題や、未納でお困りの方への解決方法を紹介しています。
もし給食費の支払いでお困りでしたら是非この機会に早めの解決をしましょう。
photo credit: Bubaicho 5 Chome, 2009/10/24 via photopin (license)
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目次
そもそも給食費って払わないといけないの?
殆どの方は当たり前のように給食費を払っていますが、そもそも給食費って保護者が払うべき費用なのでしょうか?
- 生活が苦しくて給食費が払えない
- 勝手に提供して勝手にお金を取るなんて押し売り
- 義務教育なんだから給食費を別で取られるのはおかしい
- 美味しくない給食にお金を払わされるのは納得が行かない。
- 払っていない家庭がいるから不公平
払っていない、払いたくないと考えるのには様々な理由があると思いますが、給食費の支払いについては法律で保護者が負担すると定められています。
第十一条 学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費並びに学校給食の運営に要する経費のうち政令で定めるものは、義務教育諸学校の設置者の負担とする。
2 前項に規定する経費以外の学校給食に要する経費(以下「学校給食費」という。)は、学校給食を受ける児童又は生徒の学校教育法第十六条 に規定する保護者の負担とする。
罰則は無いので、罰金や懲役刑を食らうことはありませんが、法で定められている事なので回収する側がその気になれば法の力を借りて回収することが可能です。
給食費を滞納すると給食が提供されない?
ほぼ全ての学校において給食費を滞納したからといって児童に給食が提供されないことはありません。
これは「保護者の経済的事情が原因で給食が提供されないのは不公平」というような考えから来ているようです。
しかし、増える給食費の未納に流れは変わってきました。
遂に給食を提供しないという例が出てきたのです。
埼玉県北本市立の中学校4校は、3カ月未納が続いた場合は給食を提供しないことを決めた。実施は7月から・・・3カ月未納が続く家庭の保護者43人に、生徒に弁当を持たせるよう求めることにして、学校だよりなどで通知。
一見やり過ぎに見えるかもしれませんが、学校給食費を「払えるのに払わない」とみられる未納が相次いだことが原因の苦肉の策です。
該当する43人の保護者は未納にも関わらず学校側へ相談すらしていなかったようなので、このような強気の手段に出られることは仕方ありませんね。
上記の例のように、給食費を滞納すれば児童に給食が提供されない可能性もあるということを覚えておきましょう。
給食費の滞納で差し押さえはある?
税金でも無いし差し押さえなんてないでしょ?
なんて思われるかもしれませんが、上にも書いたように給食費の支払いは法で定められています。
その気になれば預金、給与、家、車、家具等を差し押さえる事は可能です。
実際に裁判所に支払督促の申し立てをし、差押をした自治体もあるようです。
学校給食費の滞納がある人の一部に対して裁判所による徴収手続である「支払督促」の申立てを行いました。
学校給食費や学童クラブ利用料を滞納し、納付交渉や採算にわたる督促にも応じなかった者12名(29件)に対し、東金簡易裁判所などに、合計で2,200,890円の支払い督促を申し立てました。
ほとんどの方が支払いに応じていますが、支払いに応じていただけなかった方には強制執行を行なっています。
埼玉県八潮市は、学校給食費の滞納者(保護者)2人の給与の差し押さえをさいたま地裁越谷支部に申し立て、受理された。
上記は一例ですが、支払督促の申し立てにかかる費用は僅か数千円ですので、悪質な未納には殆どの自治体が支払督促の手続きを行っていると思われます。
また、少し調べただけでもかなりの強制執行の事例が出てくるので、放置すれば差押まで行くと考えた方が良いでしょう。
給食費滞納の時効は2年
給食費の時効は2年※ですので、長期間に渡り滞納し強制執行されたとしても差し押さえられる費用は最大で過去2年分です。
それなら2年逃げ切った方が良いのでは?
なんて考える方もいるかもしれませんが、時効が短いだけあって市町村側の対策も早い事をお忘れなく。
給食費だけの支払いでは済まない場合も
遅れても払えば良いという訳ではありません。
支払いに遅延が発生すれば遅延損害金の支払いが必要となる場合があることはもちろん、差押や訴訟を伴えば関連費用の支払いまで必要になります。
たかが給食費と思って滞納していると、痛い目に合うことになります。
給食費未納の方は今すぐ対策を!
ここまで読んでもらえればわかると思いますが、給食費は払わなくてはいけません。
もし現在滞納がある方や、今後支払えそうも無い場合は早めに行動をしましょう。
まずは学校に電話を
督促や差押をされる人の殆どは給食費が未納にも関わらず、積極的に支払いの意志を示していない人達です。
もし支払えない事情があるのであれば正直に学校側へ相談しましょう。
就学援助の活用を
そもそも生活するのにも苦労されている方は就学援助制度が利用できるかもしれません。
学校に事情を相談すれば適切な相談窓口を教えてくれるので、とにかく学校へ相談してください。
給食費の免除制度はある?
多くの自治体では給食費自体を免除するのではなく、上に書いた就学援助制度で給食費の支払いを軽減できる措置が設けられています。
何度も繰り返しますが、学校に相談しましょう。
支払い能力があるにも関わらず未納の場合
就学援助や生活保護といった支援は誰もが受けられるものではありません。
詳細な基準は自治体によって異なりますが、最低生活費を上回る収入がある場合はまず認められません。
しかし、収入があっても一時的な理由で支払いができない事もあると思います。
比較的短期間で返済の見込みがある場合は借りるという選択肢も検討しましょう。
給食費程度の借入ならたいした利子はつかないですし。
念のため書いておきますが、借金の返済で苦しいから給食費が支払えないというのは理由になりません。
借金がある場合、就学援助や生活保護も基本的には利用できないので、借金の整理をまず考えましょう。
給食の提供は義務なの?
多くの学校で給食が提供されている理由としては学校給食法で下記のような記述があるからです。
国及び地方公共団体は、学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければならない。
努めなければならないと書いてあることからわかるように給食の提供は義務ではありません。
文部科学省が発表した平成26年の給食の実施率は小学校で98.4%、中学校で81.4%と、実際に給食を実施していない学校もあります。
極端な解釈をすれば学校や市町村側が勝手に給食を提供しているので、給食費の支払いが必要となっているのです。
給食費の滞納は他の児童に迷惑がかかります。
一人くらい払わなくてもたいしたことは無いでしょ
なんて無責任な事を考えている方は今直ぐ考えを改めてください。
給食が提供されている以上、コストは当然かかります。
不足分については他の予算から補填され、教育の質が低下する原因になっている事をよくお考えください。
給食を停止してもらえば給食費の支払いはなくなります
給食の停止なんてできるの?なんて思う方もいるかもしれませんが、停止している事例はたくさんあります。
多いケースとしては不登校児やアレルギー体質で食事に制限がある場合です。
どちらも食べない事はわかっているので、申し出れば給食は用意されず給食費の支払いもありません。支払いたくなければ給食を停止してもらえば良いのです。ただ、保護者の身勝手な判断でお子さんがどんな思いをするのかはよく考えて頂いた方が良いかと思います。